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おすすめスチームパンク小説

あちこちでモチーフとして取り入れられるスチームパンクですが、純粋なスチームパンク小説まとめはあまり見ないのでこれまで読んできた中でお気に入りのものをまとめていこうと思います。

紹介作品目次

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href=“#ディファレンスエンジン”>ディファレンス・エンジン- リヴァイアサンシリーズ

ディファレンス・エンジン

スチームパンク小説といえばで真っ先に名前が挙がるであろう一冊。 ウィリアム・ギブスンとブルース・スターリングという有名なサイバーパンク小説の作者が書いており、小説の内容もスチームパンクの道具立てを使ったサイバーパンクといった趣です。 そしてディファレンスの名前が示す通り、解析機関が普及した世界の変わりようを示す歴史改変SFでもあります。 今となっては翻訳も硬めに感じられますが、スチームパンクとしても歴史改変SFとしても興味深い1冊です。

ディファレンス・エンジン 上

ディファレンス・エンジン 下

リヴァイアサンシリーズ

「リヴァイアサンークジラと蒸気機関ー」、「ベヒモスークラーケンと潜水艦ー」、「ゴリアテーロリスと電磁兵器ー」の三部作からなるスチームパンクシリーズ。 イギリスを中心とし遺伝子改造生物を操る「ダーウィニスト」、ドイツをメインにしたスチームパンク的なメカを使う「クランカー」の2派閥に分かれた架空のヨーロッパが舞台。 物語は1914年、オーストリア大公夫妻暗殺事件が起き、息子アレックは彼を追う一派から逃れ隠れ家へ。しかしそこに英国の巨大飛行船、リヴァイアサンが不時着、クランカー派閥の公子アレックはダーウィニストの飛行船に乗り、男装の少女デリンとともに世界をめぐる旅に出ることになります。 年代と派閥の設定からわかるとおり、彼らを取り巻く世界はのちに第1次世界大戦と呼ばれるものに突入していきます。 巨大飛行船に乗って世界をめぐる少年少女の旅物語、それに改造生物やスチームパンクメカが彩を添える傑作冒険譚です。 どうにもネットフリックスが映像化するようですのでこちらもぜひ。

リヴァイアサン―クジラと蒸気機関―: 書籍- 早川書房オフィシャルサイト|ミステリ・SF・海外文学・ノンフィクションの世界へ

ベヒモス―クラーケンと潜水艦―: 書籍- 早川書房オフィシャルサイト|ミステリ・SF・海外文学・ノンフィクションの世界へ

ゴリアテ―ロリスと電磁兵器―: 書籍- 早川書房オフィシャルサイト|ミステリ・SF・海外文学・ノンフィクションの世界へ

久石譲がオリジナルソングを担当、Netflixシリーズ「リヴァイアサン」来年配信(動画あり)

ぺルディード・ストリート・ステーション

リヴァイアサンシリーズとは打って変わり、陰鬱な架空世界「バス=ラグ」が舞台。 鳥人間、昆虫型や植物型といった様々な知的生命が存在し、蒸気機関と魔術が統べるこの世界最大の勢力、都市国家ニュー・クロブゾンの片隅で独自の研究を続けるアイザックはある日翼を奪われた鳥人間ヤガレクから人工の翼を作る依頼を引き受けます。 そして彼が実験材料として敵に入れた奇妙な芋虫は夢蛾スレイク・モスとなり都市に未曽有の災害をばらまき始めます… この物語の魅力は陰鬱で猥雑な巨大都市で繰り広げられる陰謀、逃走劇です。自我を持ったロボットたちの集団<コンストラクト・カウンシル>、時空を切り裂く謎の蜘蛛、そして政府首脳部など様々な勢力が入り乱れ、スレイク・モスをめぐる争いが繰り広げられます。そして携帯式解析機関に植物人間の使う「太陽砲」、一般化した改造人間技術など魅惑的なガジェットの数々など、あらゆるところにおすすめポイントの詰まった一冊です。 残念な点を挙げるなら、続編2冊が存在するにもかかわらずいまだに翻訳されていないことでしょうか。 もともとプラチナ・ファンタジイという無くなってしまったレーベルから出版されていることによるのでしょうが、この作品は英国幻想文学大賞受賞作、日本でもSFが読みたい2009年海外篇トップでしたので、ぜひ翻訳してほしいものです。

ペルディード・ストリート・ステーション 上

ペルディード・ストリート・ステーション 下

大英帝国蒸気奇譚

「バネ足ジャックと時空の罠」、「ねじまき男と機械の心」、「月の山脈と世界の終わり」の3作からなるシリーズ。 第1作目のタイトルからわかるとおり、歴史改変、時間SFでもあります。 蒸気ロボットが街を掃除し、改造生物の引く馬車が行き交う19世紀大英帝国、アフリカ探検から戻った探検家バートンはスキャンダルに巻き込まれ、王室直属の密偵となります。 そして彼は親友の詩人スウィンバーンとともに謎の怪人「バネ足ジャック」を追うことになります。 物語が進むにつれ、時間SFとしてもスチームパンクとしてもスケールアップ、世界は巨大な蒸気要塞が駆け回る終末戦争へと突き進み、タイムパラドクスを解きほぐすためバートンは世界を駆け巡ることになります。 はちゃめちゃ大冒険のスチームパンク活劇としてこれまで紹介した作品とはまた異なる面白さを持った傑作です。

バネ足ジャックと時空の罠〈上〉 大英帝国蒸気奇譚1 - マーク・ホダー/金子司 訳|東京創元社

屍者の帝国

伊藤計劃の遺作であるプロローグから円城塔が後を継いで完成させたことで有名な本作ですが、和製歴史改変スチームパンクの傑作でもあります。やはり作家性の違いでプロローグと本編の読み味が随分と違いますが、屍者を復活させ労働力とする世界設定、世界を駆け回り陰謀を追いかける冒険譚、名作文学や歴史から引用しながら登場するガジェットや登場人物たち、などなど歴史改変、スチームパンクの勘所を抑えつつ、独自の世界を魅せる作品に仕上がっています。 またアニメ映画化もされており、こちらもなかなか見ることのできない美麗な映像のスチームパンクアニメですのでお勧めです。

屍者の帝国 伊藤計劃×円城塔 | 河出書房新社

「Project Itoh」2015年劇場アニメ化公式サイト

蒸気駆動の男:朝鮮スチームパンク年代史

蒸気機関が発達した架空の李氏朝鮮王朝を舞台としたスチームパンク・アンソロジー。共通の設定をもとに蒸気駆動の謎の男、都老や朝鮮の人々を様々な作家が描く一冊です。 韓国の歴史、民話を下敷きにした話が多くを占めますが、蒸気技術の推進・発展を争う王朝の2派閥で起きた陰謀劇の真相やからくりの才を持った奴婢の数奇な一生、村の奥の鍛冶屋にまつわる奇妙な噂などなど知らなくても十二分に楽しめます。 しかし蒸気機関が禁止されていた時代の話が多く、肝心の蒸気機関があまり出てこないのが残念なところ。せっかくの歴史改変物なのですからもっとはっちゃけてくれてもよかったのにな、とは思いました。 それでも朝鮮を舞台としたスチームパンクとして独特な雰囲気を持ち、短編集として読みやすくおすすめの一冊です。

蒸気駆動の男 ―朝鮮王朝スチームパンク年代記―

ボーンシェイカー

掘削ドリルマシン、「ボーンシェイカー」が暴走し地下の毒ガスだまりに穴をあけてしまい町ごと高い壁で閉鎖されてしまったシアトル。 かつてその都市で消息を絶った父を追い、町へ入ってしまった息子ジークを救うため、母ブライアは毒ガスとガス汚染された人間「腐れ人」が跋扈するシアトルへと足を踏み入れることになります。 飛行船にドリル、封鎖された都市の地下で生きる人々、マッドサイエンティストなどを魅力的に描いた作品として仕上がっています。

https://amzn.asia/d/cG2XfGl

今後新しい小説を見つけ次第更新していく予定です。

更新 2024/11/17 早川書房のサイト更新によるリンク切れを修正

また、現状のスチームパンクまとめとしては、2017年のものですがこちらが非常によくまとまっています。 スチームパンク小説を読みたい(国内外問わず) | レファレンス協同データベース